この記事で分かること
- 手順書があるのに、なぜ問い合わせが減らなかったのか
- 船場が手順書を「見つかる・作れる」状態にした順番
- 自社で、まず1か月何を記録すればいいか
改善の結果
7〜8割削減
手順書についての問い合わせ
出典は、手順書についての問い合わせが導入前と比べて7〜8割減ったと述べています。導入後の件数そのものは示されていないため、率で示しています。
手順書の作成時間も年約2,000時間削減
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。
この記事の目次
01Before ─ 課題
手順書はあるのに、なぜ毎日聞かれていたのか
船場は、商業施設やオフィス、ホテルなどの空間を企画・設計し、運営まで手がける会社です(100名以上500名未満)。2014年に Salesforce を入れて以降、新しい仕組みを入れるたびに全国で説明会を開いてきました。
手順書そのものは作られていました。ただ、Word・Excel・PowerPoint と作る人ごとに形式が違い、どこに保存して載せるかも決まっていません。文字ばかりで分かりにくいという声もありました。
その結果、手順書についての問い合わせが1日平均4〜5件届き、総務の担当者はそのたびに自分の作業を止めて答えていました。質問した人の席まで行って説明することもあったといいます。
02How ─ 変えたこと
形式をそろえ、作る人を増やし、入口を近づけた
2020年、手順書を1つの仕組み(Teachme Biz)に集めました。形式がそろい、画像に説明を書き足したり一部を隠したりする加工も同じ画面で済みます。動画も使え、検索で探せるようになりました。
次に、作る人を増やしました。各部門の社員や責任者、プロジェクトの担当者、常駐のコンサルタントにも編集の権限を渡しています。別の形式で作ってもらうと、結局は総務が移し替える二度手間になるからです。
そのうえで、手順書への入口を日々の仕事の近くに置きました。Salesforce から手順書へ直接飛べるようにし、名前も「教えて!」に変えています。複合機のトナー交換のような、たまにしか起きない作業は QR コードにしてオフィスの各所に貼りました。
読む側の声もすぐ反映します。「分かりにくい」というコメントが付けば、その手順書を直して更新します。
マクセラスの解釈
効いたのは中身を書き足すことより、「見つかる」「作りやすい」「入口が近い」を同時にそろえたことだと当社は読んでいます。どれか1つが欠けると、人はまた聞きに来ます。
業務の流れの前後
- 01形式がばらばら
- 02置き場所が不明
- 03担当者に聞く
- 04手を止めて答える
4工程。タブで変えたあとと見比べられます。
BEFORE
- 01形式がばらばら
- 02置き場所が不明
- 03担当者に聞く
- 04手を止めて答える
AFTER
- 011か所に集める
- 02各部門が作る
- 03検索やQRで開く
- 04自分で解決する
- 05声を受けて直す
03After ─ 結果
問い合わせは7〜8割減り、作る時間も減った
手順書を集めて検索できるようにしたことで、問い合わせは7〜8割減りました。DX本部の和泉田氏は、問い合わせる前に検索する習慣が根づきつつあり、見つからなければ自分で作る「見る側から作る側への転換」が始まったと話しています。
作る側の時間も減っています。2022年度は、画像の編集や構成、レイアウトを考えるのにかかっていた時間が約2,000時間減りました。説明会を開く機会も減ったとされています。
数字の出どころ
Teachme Biz が公開した株式会社船場の導入事例による数値です。問い合わせの削減は、導入前の1日平均4〜5件と比べた担当者の説明です。約2,000時間は2022年度に手順書を作る時間が減った分で、問い合わせ対応の時間とは別の数字です。
04自社への応用
自社の手順書にも、同じ形はないか
ここからは、出典の事実をもとにしたマクセラスの解釈と提案です。
この事例の要は、手順書の中身より先に、置き場所・作りやすさ・入口の近さを直したことです。手順書があるのに同じ質問が来る職場には、同じ形があります。
- 多店舗の小売・飲食
- 店舗ごとに手順が違う。本部に電話で確認が入る
- 製造の現場
- 紙の作業標準がラミネートされたまま更新されていない
- 介護・医療
- 手順が人に紐づいている。シフトが変わると聞かれる
- バックオフィス
- 経費や申請の書き方を毎回同じ人が説明している
まず何を調べるか
まず1か月、聞かれた質問を書き出し、そのたびに「手順書はあったか」「探して見つかったか」を記録してください。あったのに見つからなかったものが多ければ、直すのは中身ではなく置き場所と入口です。件数の多い上位3つから手を付けると早く効きます。
あなたの会社なら、何時間か
聞く人と答える人の両方が止まります。両方を人数に入れて計算してください。
マクセラスの解釈
読まれないのは、内容が悪いからではない。
探して見つからない経験を2回すると、人は次から検索せずに聞きます。だから私たちは、中身より先に置き場所と入口を決めます。
05まとめ
まとめと参考資料
- 手順書はあったが、形式も置き場所もばらばらで見つからず、毎日担当者に聞かれていた
- 1か所に集めて形式をそろえ、作る人を増やし、普段の画面やQRコードから開けるようにした
- 自社では、聞かれた質問と「手順書は見つかったか」を1か月記録するところから始める
参考資料
- 株式会社船場様 導入事例Teachme Biz・2026-10-11 確認原文を見る ↗
掲載している数値は、各出典が公開している報告値です。当社が測定したものではありません。 図や表は、出典が公開している事実をもとに当社が独自に作成しており、出典の図版は使用していません。
本記事は、各社が公開している導入事例・公開情報をもとに、マクセラスが独自の視点で業務改善の考え方を分析したものです。マクセラスが導入を担当した事例ではありません。

